CPUのクロックダウンから見たコストパフォーマンス

CPUのクロックダウンから見たコストパフォーマンス

近年、Thermal Monitoring Technologiesと言う、インテルの素晴らしい製品開発により、CPUが自壊しなくなった。
壊れる(死ぬ:DIE)温度に近くなると、自動的に自らのクロックを落とす。

利用(購入)者にとって、何が変わったのか?

これは、技術から見ても、経営から見ても、劇的な変化をもたら「した」事になったのだが、
多くの人「技術者、経営者」が、その事実を認識していない。まずは、簡単に記載していく。
------------------------------
技術面、価格面
------------------------------
良い点:
1)CPUが故障しなくなった。(故障率低減)
2)コンピュータが安く製造できる様になった。(内部に低価格部品が使用可能)

悪い点:
3)思ったよりもパフォーマンスが出なくなった。(クロックダウンする為)

ラックマウントサーバ、特に1Uでは、極端に言えば、「手抜き工事」が出来る様になったので、
我々設計者から見れば、昔から「如何にして温度を上げないか」を日々悩み、設計している、
この根本とも言える技術が、顧客から見て、「分りづらくなった」。

ある時間内に、どの程度の発熱が発生するのか?
それに対して、どの程度の空気(又は液体)を通過させれば安定稼動するか?
などの、それ程難しくない計算を、設計会社(コピー会社)は、しなくなった。
驚きだ。

技術者として「苦労するが、結果を出す楽しさ」が、「他業界の技術者達に」、評価されなくなろうとしている。

もちろん、説明をし、理解をしてくれるのであれば別である。で、記載をした。

一般競争入札でも、仕様にその縛りが無い。つまり、「手抜き工事OK」と言われた様なものだ。

「室温X度の、筐体周りがオープンな無風環境において、フル稼働で、クロックダウンしない仕様」ぐらいは規定して欲しいものである。
------------------------------
経営面
------------------------------
経営面から見れば、以下となる。

参考例:(長年インテルCPUの価格設定では定石ではないだろうか)
1)流通型CPU 3.0GHz、4コア、ベンチマーク結果=10,000とする。
CPU価格は2万円、完成品となるサーバの価格は9万円程度とする。
これをクロックダウン「しない」設計又は「しづらい」設計&部品差額は、1万円程度であろうか。

2)高級型CPU4.0GHz、8コア、ベンチマーク結果=20,000とする。
(※実際には、Bは15,000程度だろうが、分り易くするため。)
流通型2万円に対して、高級型を10万円とする。他は同じ部品なため、17万円
流通型のラックマウントシャーシ(筐体)の設計とするので、17万円である。

A=10,000=10万円 : B=20,000=17万円となる。

ところが、である。Bはクロックダウンを頻繁にする。 たかが1万円の費用をケチっただけである。
クロックダウン時、2.0Ghz駆動とすると、単純にパフォーマンスは半分。10,000になる。
10万円のサーバと同じパフォーマンスになってしまう。

設備投資を担当又は決済する立場の人が、「知らない」では済まされない情報である。
------------------------------
最後に
------------------------------
ただし、この「ケチらない」場合でも、色々。
「流体設計がまともでない。」、コピー会社や、「Y社のFANなら安心」など、
実際の性能/実績/価格を考慮しない面倒臭がり屋が設計すると、値段や性能が見合わない。

購入者にとっても、判断し辛い世の中になったものである。